大好きな天体ショー
私は根っからの文系であって、天文学というものが一向に理解できない。
小学生から高校生までの間、ごくごくわずかながらも授業に組み込まれていた天文学は、数学についで私が苦手としていた、落第寸前の科目なのである。
ところが、それにもかかわらず天体というのは私の興味をひきつけてやまない。
きっかけは小さい頃に見た、現役の宇宙飛行士が星座や星雲やらについて解説してくれるドキュメンタリーだ。
途方もしれないほど遠くにあるガス爆発の光が私たちの目に届いていて、それなのにその光の名残を残しながら、今の瞬間にもその元の星が消滅しているかもしれないということ。
ブラックホールのこと。
土星の輪っかが、引力でひきつけられた屑石の集合であること。
などなどの魅力的な解説。
それからというもの、星座の神話についての本や、天体望遠鏡なんかを買ってもらったりした。
時々世間をわかせる天体ショーも、私を虜にした。
忘れられないのはもう20年近く前のペルセウス座流星群。
歴史的に見ても爆発的に星が流れた年であった、という数字的な結果を知った後、どうやら記憶が大げさに改ざんされているような気がするが、ほとんど星の雨といえるほどに流星が流れていた。
しかも、どれもこれも尾っぽのついた大きな火球であった。
それから、皆既日食や皆既月食。
つい最近といっていい、あの部分日食は、残念ながら出勤途中で電車に揺られていたために見逃した。
そんな悲しい思いをした人は私だけではなかろう。
そうかと思えば、一番よく観測できるという石垣島にツアーで行って、天候が思わしくなく何も見れなかった人もいた気がする。
天体ショーは実に運次第である。
それにしても、こんなに天体について興味があるのに、どうしてあんなに成績が悪かったのであろうか。
まったく本当に理解に苦しむ。