高校のパン屋
高校時代は毎日母にお弁当を作ってもらっていました。
学食や売店もありそれらを利用していた生徒も多かったのですが、私からしてみるとやはり普段から食べなれた家庭の味の方がしっくりきたものです。
しかし高校生というまさに育ち盛りの頃であったので弁当だけでは足りないことも少なくありませんでした。
そんなときに利用していたのが売店です。
学食の方はあまりスペースが大きくなく、そもそもさすがに育ち盛りとはいえ弁当を食べた後に学食の定食などを食べるほどの大食漢っぷりではなかったので学食は卒業まで利用したことはほとんどありませんでした。
一方で売店はパンやおにぎりなどの軽食を扱っていたので物足りない時にちょうど良かったのです。
売店と言っても学校に常設されているものではなく昼休みに二店のパン屋が出張販売に来るという形でした。
高校生向けなので大味でボリュームのあるものが多く、昼休みの開始と同時に多くの生徒が詰め掛けたものです。
私が訪れるのは弁当を食べた後なのであらかた買われた後なのですがそれでもいくつか商品が残っていました。
特に好きだったのはコッペパンにニンニクで味を付けた鶏肉とキャベツを挟んだ調理パンでした。
毎回残っているとは限らなかったのですが残っていた日はほぼ欠かさずに買っていたものです。
毎日の様に訪れていたのでパン屋のおばさんとも親しくなっていました。
あれからもう10年以上の年月が経ってしまったので今ではどうなっているのかも分かりませんが、出来れば未だ元気で働いていることを願っています。
一つだけ後悔しているのはパン屋の名前を聞いておかなかったことです。
聞いておけば卒業してからは本店の方に訪れることが出来たかもしれない、というわけです。