走り出していたら

「あのとき○○だったら、どうなっていただろう。」
そう考えること、ありませんか?
やりたかったこと。でも、しなかったこと、できなかったこと。

私の「あのとき○○」は「走ること」です。
走っていたら、どうなっていたかな、と。

私はもともと運動の苦手な子どもでした。
小学校低学年の運動会の徒競走は、だいたいグループの真ん中。
速くもなく…、どちらかと言えば遅い印象。

それが、小学校5年生の春。
スポーツテストで計測した50メートル走で、
たまたまクラスの女子で2番目になりました。

速いと思えなかった私が、意外なタイムを出したのを見て、
クラスメートもびっくりしたんでしょう。「すごい!速い!」と大絶賛!
それが私に魔法をかけました。
走ることが好きになったのです。

クラスのみんなも私を「走るのが速い人」と認定(?)してくれたため、
リレーのアンカーを任せてくれたりしました。
市内の小学生の陸上大会にも出場しました。
結果はともかく、「学校を代表して走る」という体験は
前の年までの私にはとても考えられないことでした。

中学校にあがったとき、
クラブ活動をどうしようか考えました。
「陸上部」という選択肢が自分の中にありました。

結局、運動部に入ることで学業がおろそかになるのを心配した母が
文科系のクラブをすすめ…というか、
「運動部はダメ」との言いつけを守った結果、
陸上部はあきらめました。

その後の出会いや身についたことが
今までの人生につながってきた部分が大いにあります。
でも、少しだけ思うのです。

あのとき走り出していたら、今どうなっていたんだろうかと。

でも、これからまた走ればいい、とも思います。
今走り出すことで、また何か変わるかもしれないから。

«
»