旅支度
同じ九州とはいえ、「長崎県に行く」と一括りにできない。
福岡から一番アクセスが良いのは、佐世保市。
佐賀県唐津市や伊万里市を通っていくが、道路が広く迷うこともないので車の運転で行くならばとても良好なアクセスだ。
次いで長崎市。
福岡からはJRで行くのが一番楽。
ちなみに勘違いされがちだが、佐世保市と長崎市は同じ長崎県でもかなりアクセスが悪く、一旦福岡の博多駅を経由した方が速いというぐらいだ。
距離的に離れているということもあるが、佐世保しと長崎市は非常に関係が悪い。
互いに悪口を言い合うほどだ。
陸で一番行きにくいのは天草市だ。
福岡空港から直行便が出ていて約30分ほどで到着する。
この情報を知らずにマイカーで出かけると大変な目に遭ってしまうのだ。
天草は最近注目されている観光スポットだ。
イタリアの地中海側を思わせるような気候で、市を挙げてオリーブ栽培に取り組んでいる。
また、ヨーロッパ風の建物が残っているのは、歴史的な背景からだ。
同じくキリスト教の影響を受けている五島列島も最近では観光客の誘致に力を注いでいる。
五島は下五島と上五島で大きく分かれているが、こちらでもいがみ合う関係だという。
五島うどんが有名だが、どちらが発祥なのか互いに自分のところだと主張している。
五島には隠れキリシタンが多くいたこともあり、学校などに小さな教会がある。
今でもクリスチャンが多く、日曜日のミサに通うのは普通の光景だという。
私が一番好きなのは長崎県の壱岐だ。
五島よりも近く、博多埠頭から高速船やフェリーが出ていて気軽に行ける離島という感覚だ。
五島や天草のようにキリスト教の影響は全くもって無く、いかにも「田舎の島」という風景がのんびりしていてくつろげる。
行く度に五島や天草と比べてしまうが、壱岐は観光客の誘致に「頑張らない」姿勢がある。
どこか閉鎖的で産業で発展しようという覇気があまり感じられない。
だからこそゆったりしていて良いと私は思うが、人によっては「親切心がなかった」と言ってリピーターにならないこともある。
まだ対馬には行ったことがないが、こちらも博多から船が出ている。
しかし、かなりの長旅で、陸上自衛隊が訓練で使っているほどだ。
屈強な環境なのだろうか。
気になる所である。