通知表と友人

通知表、学生生活を送る上でこれほど生徒たちにプレッシャーを与えるものはないでしょう。
夏休み冬休み春休みとそれぞれの長期休みを楽しみにしている子どもたちにとっては乗り越えるべき最大の壁であるわけです。

もちろん成績が抜群でオール5やそれに準ずるような成績をとっていて通知表はむしろ両親から褒められるもの、という生徒も中にはいるでしょう。
しかし大半の生徒にとってはその成績の良し悪しで一喜一憂して両親へ見せた後の反応が気になるものであるのです、そうかつての私のように。
私の成績はひいき目にみてもせいぜい中の上くらいだったので、成績が良いこともあれば悪いこともありました。

成績が上がっていれば両親の反応はむしろ楽しみなくらいだったのですが、下がっていたときのことを思うと今でもため息が出ます。
小学校までは時に褒められ時に叱られを繰り返していたわけなのですが中学校に入ったときに私は妙案を思いつきました。
通知表が配られるのは長期休みの前であるので成績が悪くても休みに乗じて友人を終業式当日に自宅に泊まりに誘えば例え成績が悪くてもうやむやになるのではないかと。

結果からいえばこれは成功ではありました。
さほど成績が下がっていなかったこともありましたが友人の手前いつもの様に起こられるようなことはなかったのです。
しかし今にして思えばこんな風に成績の上下程度で一喜一憂してられたあの頃は幸せだったと思います。

最悪でも両親に叱られるだけで済んだのですから。
大人になった今となって思うと成績が下がったくらい仕事の失敗に比べると大したことはなかったと重々感じます。
それだけにその程度のことで頭を悩ませているだけで済んだ過去が懐かしく輝かしく思えるのです。

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