あくどい商法
たしか「催眠商法」という言い方だったはずだが、お年寄りを集めて高額な商品を売る拠点のようなお店が近所に出来た。
小さな事務所かな?と思うほど、なにも看板が出ていない空き店舗にパイプ椅子が並べられ、平日の午前中にお年寄りが吸い寄せられるように続々と入っていく。
うちのマンションにもチラシが入っていたが、「食パン一斤もれなくプレゼント」が大きく載っていた。
そのお店の前を通りかかったときに、ピーンときて「これはナントカ商法っていうやつだ!」と思ったので、スマホで写真を撮った。
「これって何商法だっけ?」とあとから知人に聞こうと思っていたのだ。
チラシを持ってきたお年寄りに挨拶して、「どうぞ前からお座りくださ〜い!」と招き入れている笑顔の男性がいた。
スーツのジャケットを脱いだスタイルで30歳前後だろう。
私が通りの反対側から写真を撮っているのに気がつき、これまで笑顔で挨拶していたのに、一瞬で鬼の形相。
「なんですかあなた?」と聞かれてしまったので、足早に立ち去った。
新店舗を写真撮ることに対してあんなに嫌悪を示すのだから、おそらく良い商売ではないと思う。
仮店舗っぽい造りのまま、一回のセミナーを開いたあとはすぐにいなくなる。
近所で空いているテナントがたまにそのような商法に使われているのを何度も見たのだ。
十年以上前に流行った商法だと思っていたが、まだ騙されるお年寄りがいることに驚きだ。
催眠商法が問題になったとき、まだ60歳前だったんじゃないの?覚えてないのおじいちゃん?って声をかけたいほどだ。
何もできないし、違法行為が行われているかも分からないので手の施し用がない。