制限のない自由は怖い

今思い返せば、大学時代は本当に自由だったと思う。
小中高は親や学校のルールが厳しくて、門限や服装が決まっていたけれど、大学は1回生の頃こそ外泊禁止だったものの、2回生以降はそれも解禁され、とにかく自由だった。

大学ではもちろん髪型も服装も自由だし、授業だってある程度は自分の自由に決められる。
極端な話、授業に出席するしないも自由だった。
あくまで自己責任という名のもとに、毎回の出席を強要されるわけでは決してなかった。
高校ではバイトが禁止のところも多いだろうし、実際、私の通っていた高校も原則禁止だった。
家庭の金銭的な事情で、自分の学費を稼ぐためのバイトだけは例外的に認められ、バイトを始める前に必ず担任に許可をもらわねばならなかった。
しかし、大学ではバイトをしているのがむしろ当たり前であったし、どんなバイトをしようがそれは個人の自由だった。
私はお金が必要だったから、2回生以降は深夜勤務も行っていた。
1回生の頃は日付が変わる前に帰宅しないといけなかったが、2回生になると両親は私がバイトの深夜勤の後、家に帰らずそのまま大学に行っても、もう何も言わなかった。
しかし、自由というものは怖い。
人は楽な方に逃げがちなもので、授業に出ることを強要されない状況下に置いては、必要以上にさぼってしまう人もいた。
私の周囲にも、それで単位が足りずに結局4年で卒業できない人がいた。
バイトも自由に選ぶことができるから、お金欲しさに高収入の仕事をして、金銭感覚がおかしくなり、逆にお金を使いすぎてしまう人、あるいは普通の時給のバイトができなくなってしまう人などもいた。
自由に甘えすぎると、自分にとってマイナスになることがある。
自由の中でも自分をある程度律することが必要になってくるのだと思う。

大学を卒業して新入社員に

大学通学の一時間半

かつて私が大学生だった頃、二回生まで大学の近くで下宿して一人暮らしをし三回生以降は実家から通うというちょっと変則的な通い方をしていました。
というのも当時通っていた大学が私の実家と同じ県内にあったためでありました。

大学の近くで下宿するのはもちろん大学に近いために通学と言う意味では非常に楽なのではありますが、アパートの家賃や食費などが必要になるということでもありました。
一方で実家から大学までは電車とバスで一時間半程度かかるものの、通学定期を考慮しても掛かる費用は安く経済的にはこちらの方が効率が良かったのです。
とはいえせっかくの一人暮らしを楽しみたかったのと、遅刻の回避などを考慮に入れた結果二回生までは下宿をしていたのです。
しかし二回生までである程度の単位を取得出来、講義の時間にもある程度余裕が出るようになったので実家に帰ることにしました。
正直に言えばあまり裕福な家庭ではなかったのでなるべくなら経済的な損失は減らしておきたかった、というのが本音であります。
それ以降は講義やゼミがある日は毎日片道約一時間半の距離を登下校していました。
一時間半もの時間を掛けて通学するのは正直に言って面倒ではありましたが、仕方のないことではありどうにかしてこの時間の暇を潰すかが私の日課となっていました。
大抵の場合、携帯を弄ったり本を読むなどしていたのですが予習などが必要な時には電車の中で教科書を開いていたこともありました。
普段の私はお世辞にも勉強熱心であったとは言えませんでしたが、電車内という限られた空間でなら話は別でした。
電車内では他にすることもなく素直に学びつつ教科書を読むことが出来たのです。
私が大学で一定の成績を保っていられたのもある意味ではこの一時間半という学びの時間のおかげかもしれません。

«
»