私に厳しい父と孫に厳しい祖父の顔

孫には甘くなってしまうと私の父母はよく言うのですが、なんで孫と子どもではそんなに愛情のかけ方が違うのか不思議でしょうがない私。
私の両親はかなりの厳しいしつけで、今思い出すと20年ほど前の話ですが、50年ほど昔の話に出てきそうなほどの家庭でした。

もちろん、食事は父親が仕事から帰宅し家族全員揃うまで待っていましたし、お風呂も父が一番風呂でした。
そして、テレビを見ながら食事をすることなんて問答無用でした。
一回私は父にすごく怒られたことがありました。
普段から末っ子の私は、父に怒られている兄や姉の姿を見て、末っ子ながらに勉強し、どうしたら怒られないのかと言う要領の良さを自然に身につけていました。

それでも怒られた私は今でも鮮明に頭の中でその日の事が残っています。
ちょうど夏、日曜日家族そろってそうめんを食べている昼ごはん中に電話が鳴ったのです。
私は電話に出ようとお箸で取ったそうめんを麺つゆの入っているお椀に入れてから電話に向かいました。
電話は一番小さな私の仕事の一つでした。

そして、電話を母に代わり、席に戻るとお椀に入れたはずのそうめんがないのです。
きょろきょろしているとなんと麺つゆのお椀の横にあるヨーグルトが入ったガラスの小さなグラスに入っていました。
私はすぐにこれを捨てるため、台所に向かって席を立ちました。
そして三角コーナーにヨーグルトの付いたそうめんを捨てて、そのまま食事に戻りました。

すると、父がなぜ食事中に席を立ったか私に尋ねたので、そうめんの話をしたら激怒したのです。
なぜ、捨てたのか、そうめんを洗って食べるべきだったと言われ、1時間ほどお説教をされました。
そんな父は孫には甘く、「何でも好きなものを食べるといいよ、嫌いなものは一口食べれば十分だ!」と言うほどです。
どうせなら私は父の孫として生まれたかったとさえ思ってしまうほどです。

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