スローフードとうなぎ

忙しい現代人にとって牛丼やハンバーガーなどに代表されるのいわゆるファストフードはもはや欠かせないものであります。
その一方で最近ではスローフードと呼ばれる料理の価値も見直されてきています。

やすいはやいうまいが代名詞であるファストフードに対し、スローフードは美味しい料理を作って食べるのには時間が掛かって当たり前だ、というような考え方であるのです。
もちろんどちらが正しいというわけではなく、両方ともあるべき料理の姿の一つでありましょう。
それでもファストフードはあまりにも有名すぎるので今回はスローフードに関して紹介させていただこうかと思います。

日本におけるスローフードの代表的な料理と言えばうなぎがあげられます。
うなぎと言えば土用の丑の日に食べるものとして有名ですが、実際にうなぎの専門店に訪れてうな重などを食べたことがある方はどれくらいおられるでしょうか。
スーパーなどで買ってきて自宅で食べる分には大して手間がかからないうなぎですが、専門店では注文してから運ばれてくるまでに相応の時間がかかるのです。

数十分かかることも当たり前であり、わずか数分で提供されるファストフードに比べれば確かにスローであることが分かると思います。
うな重が運ばれてくる間にうざくや白焼き、お新香などを注文することももちろん出来ますが、焼かれているうなぎの香りを嗅いで楽しみつつ待つのも面白いものです。
もちろん値段も相応に掛かりますが、うなぎを待つ時間、そしてうなぎを食べる時間とその旨さを考えれば当たり前の価値であると言えるのではないでしょうか。
やはり作る時間あるいは待つ時間と、食べる時間をゆっくりと楽しむのがスローフードの神髄であるのですから。

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